2023.0403-0407
20230403
ついに端くれではあるが、大学の教員になった。
2014年からの兼ねてからの目標であったのにも関わらず、曇りが明らかに晴れていない感覚があるので、所在を明らかにするためにセンチメンタルな通信を開始する。
新居の集合住宅の匂いが2017年4月に引っ越した戸建てに似ていて、少し悲しくなる。
当時の小さな戸建ては屋根裏部屋があることを理由に契約したが、結局一度しか上がらなかった。
翌年の春、当時の恋人と別れたが、彼女は一度も屋根裏部屋には上がらなかった。
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20230404
新居が昼休みに自宅で昼食を取れるほどに近く、また閑静な場所でとても居心地が良い。
一つの難点があるとすれば、敷地内完全禁煙ということだけだ。(年々喫煙場所は無くなってきているが、ついに本当に吸う場所がない。)
2013年大学3年生の時、喫煙所で話しているグループがいたおかげで、テスト範囲を知ったことを思い出す。(たしか、「コンテンツ産業論」だったと思う。)
結果的にC評価を得てなんとか進級できた時には喫煙者で良かったと思っていたが、いまは喫煙所がぼくを救ってくれていたのではないかと思い直している。
場所も時に人に寄りそうのだから、景色が変わると少し寂しい。
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20230405
姫路のキャンパスに新入生オリエンテーションの説明のためににいき、案内係の職員の方に新入生と思われた結果、おかげさまで会場に着く。
2011年以来の学部入学の気持ちをとりもどす。当時は震災の影響で入学式は中止、オリエンテーションは延期されてこの時期ではなかったことを思い出す。
延期されたオリエンテーションの後の健康診断で、はじめて大学での友人ができた。(博多から来た子だった。)
彼は訳あって途中で学校を辞めてしまったが、いまだに友人関係は続いている。
最も気軽に多くを話せる友人の一人で、ぼくたちは一般大学であったが、彼はデザイナーの仕事をしている。
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20230406
関わった人々の中から自分自身の記憶が一定期間でなくなってしまう高校生の女の子が主人公の映画をサジェストされ、鑑賞する。
相手役の男の子とは坂を降りた曲がり角でぶつかって出会う。その時、男の子はTSUTAYAのレンタルケースを持って自転車に乗っている。
TSUTAYAのレンタルケースを最後に見たのは、2012年の夏頃に中学からの友人と「本当にあった呪いのビデオ」を借りた時以来だと思う。
3人組でよくいた友人だったが、うち一人とはもう連絡がつかないでいる。
ぼくたちは本当に仲の良い友人だったのだろうかと、時々いまみたいにふと思い返す。
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20230407
新居の片付けとして手始めに本棚を組み立てて書籍を適当に並べてみるものの、だいぶ冊数が少ない実感がある。(まだあけてないダンボールはたくさんあるが...)
この感覚の由来は、2016年の夏あたりの引きこもり院生であった頃により多くの書籍に埋もれて暗がり生活をしていたからだと思う。
ぼくを覆っていた書籍たちを、ぼくは2017年3月に修士課程を修了するとともに学問への小さな決別として手放してしまった。
知識や体験をインストールするのは自分自身であるのに、当時は自身の境遇を許せなかったために、手放すことでなかったことにしたかったのだ。
モノは何も悪くなく、悪いのはいつだって自分のフレーミングだ。